がしゃどくろという、大きなガイコツの妖怪がいます。
インパクトが強烈なこの妖怪は、もちろん鬼太郎作品のなかにも登場しています。
しかも、かなり強力な妖怪でしたね。
今回は、そんながしゃどくろの伝承や、ゲゲゲの鬼太郎作品での特徴などに関して解説いたします。
がしゃどくろとはどんな妖怪?
複数の怨霊が集まった巨大なガイコツである、がしゃどくろ!
がしゃどくろは、日本の妖怪で、巨大なガイコツの姿をしています。
元々は、昭和の中期ごろから文章で表現されてきた存在で、これはいわゆる普通の伝承の妖怪とはちょっと違うところでしょう。
昔の地方の民間伝承とは違って、比較的近年の1960年代から70年代ごろの少年誌や妖怪関連の本で生み出された妖怪です。
これが、鬼太郎の作者である水木しげる先生に取り上げられることで、『妖怪といえば鬼太郎』という、日本の一般的なイメージによりがしゃどくろも有名な妖怪となっていきました。
このように比較的最近になって創作された”がしゃどくろ”なのですが、いわゆる「元ネタ」になっているものがあります。
それが、歌川国芳の『相馬の古内裏』の浮世絵です!
![](https://youkai-love.com/wp-content/plugins/pochipp/assets/img/pochipp-logo-t1.png)
これは正しくは、『がしゃどくろ』を描いたものではありませんが、いかにも恐ろしい人間の何倍もある巨大なガイコツが描かれているため、これが『がしゃどくろ』のイメージとなって創作されてきた可能性が高いようです。
水木先生の妖怪画でも、この『相馬の古内裏』の浮世絵を参考にしているので、これが現代の『がしゃどくろ』の元ネタになっていることは間違いないでしょう。
ただし、その歌川国芳の『相馬の古内裏』も、江戸時代の山東京伝の『善知鳥安方忠義伝(うとうやすかたちゅうぎでん)』を題材にしている作品で、『平将門の遺児・滝夜叉姫(たきやしゃひめ)が骸骨の妖怪を呼び出して大宅太郎光国(おおやたろうみつくに)を襲う』という場面です。
原作は、等身大の骸骨が多く現われますが、歌川国芳の浮世絵はこれを巨大なガイコツにして描いている所に、類まれなるオリジナリティーを見ることができます。
鬼太郎や、そのほか1960年代に登場した『がしゃどくろ』は、戦争や空腹で命を落とした者が埋葬させずに怨念として集まったことによって、巨大なガイコツの姿になっているという設定です。
夜中に骨がきしむ音をたてて歩き、人を見つけて襲って、握りつぶして食べてしまうとされています。
がしゃどくろが『ゲゲゲの鬼太郎』に登場!強さや特徴を解説!
がしゃどくろは、鬼太郎作品にも登場しています。
原作の地獄編『閻魔危うし!白骨軍団』に登場し、命を落としたものの待遇からこの世〜地獄の行き来ができます。
『地獄の血』が欲しい『ドラキュラの吸血鬼軍団』が兵力として白骨軍団を使うため、これを復活させるためにがしゃどくろの呪いの壺を使おうとするものの、壺に飛び込んだシーサーが白骨軍団を無力化、壺を取り戻した『がしゃどくろ』はドラキュラ軍団を捕らえ地上へ連れ出しました。
また、『石妖』の話では、登場はしていないものの旅館を経営していて、結婚詐欺にあって宿泊費が払えないねずみ男をなぐったとされています。
1985年のゲゲゲの鬼太郎第3期では、第71話の『妖花の森のがしゃどくろ』に登場していますが、ガイコツの頭部分は映画の『エイリアン』のように細長く、下半身はカマキリのようながしゃどくろでした。
2007年の第5期では、第2話の『ビビビ!!ねずみ男!』に登場しています。
祠を壊しビルを建てる人間への復讐のために、その会社の社員の気を吸い取っていて、かけつけた鬼太郎が飛ばした毛針も通じなかったものの、口の中に入って内から粉砕されています。
事件後は、壊された祠は建て直されています。
さらに、アニメ『ゲゲゲの鬼太郎・第6期』第8話【驚異!鏡じじいの計略】にも、がしゃどくろは登場しており、犬山まなを襲いました。
鏡じじいの活躍もあり、犬山まなを助けることができましたが、第6期でもかなり強い妖怪として登場しましたね。
まとめ
今回は、大きなガイコツの妖怪『がしゃどくろ』に関して紹介しました。
がしゃどくろは、とにかく見た目がすごい強烈ですよね。
なにかかっこよさも感じるのは、私だけでしょうか。
これはやはり、歌川国芳のオリジナリティーが生んだ妖怪といえるでしょう。
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